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レンタル着物の「大正ロマン」って?着物の歴史とともに解説

レンタル着物の大正ロマン

みなさんは、「大正ロマン(大正浪漫)」と聞いてどんなものを思い浮かべますか?
「画家の竹下夢二?」「レンガっぽい感じ」「豪華絢爛!」など、いろいろなイメージを持っているかと思います。
それらのイメージは、全て正解です!なぜなら「大正ロマン」には正式な定義がなく、自由な文化や考え方がもとになっているからです。

大正時代は、海外文化が入ってきてファッションに柔軟な考え方が広まり、ルールに縛られない柄や色が楽しまれた、とても華やかな時代です。
今回は、着物の歴史をふり返りながら、大正ロマン風の着物の楽しみ方をご紹介していきます。

【基礎知識】そもそも着物の歴史・成り立ちとは?

まずは、着物の起源や歴史について確認していきましょう。

着物の起源は弥生時代から

着物の由来には諸説ありますが、3世紀半ばの中国南部にあった「呉の国」の衣服が呉服として伝えられたのが初めだといわれています。
そのため、日本の着物は弥生時代が原点といえます。弥生時代は、1枚布を身体に巻きつけた「巻布衣(かんぷい)」「貫頭衣(かんとうい)」が普段着として親しまれていました。

奈良時代から平安時代に着物様式が発展

日本人の創意工夫により、奈良時代から平安時代にかけて、呉服は独自の進化を遂げていきます。

奈良時代の貴族階級の人々は、重ね着の下に「小袖」という袖口が小さい衣服を着ていました。また、小袖は労働階級の庶民には重ね着としてでなく、普段着として使用されていました。

平安時代は、貴族の高い位を表現する手段として、重ね着の文化が発展していきます。大袖を何枚も重ねた十二単も、平安時代のシンボルのひとつです。

鎌倉時代から江戸時代にかけて女性を中心に着物がファッション化

鎌倉・室町時代になってようやく「着物」という言葉が生まれます。時代が武家社会へと変わっていくなかで、動きやすい衣服が好まれるようになりました。女性はその中でも優雅な打掛などを羽織り、ファッションを楽しんでいたようです。

江戸時代には町人が力を持つようになり、男性は外に出るため衣服が固定されていきます。しかし、身分によって異なるものの、女性はあまり外に出ず家庭や社会を支えてるぶん、着物の選択肢を幅広く楽しむことが可能でした。

明治時代からは着物が身近に感じられるように

明治維新以降は、「四民平等」の新しい国づくりや、富岡製糸場などの絹産業の発展により、幅広い人に着物が親しまれるようになりました。
大正時代には、海外文化が輸入され、和洋折衷の着物スタイルも広がります。
世界大戦によって生活が辛い時代も続きますが、着物は家庭ごとに大切に受け継がれる品物となりました。

現代は着やすい着物も多くなっている

令和時代に生きる私たちは、着物を柔軟に取り入れることができます。
洋服が主流になった現代でも、日常のちょっとしたお出かけから冠婚葬祭まで、着物を着られる機会はたくさんありますよね。

正直なところ、昭和時代や平成時代初期までは、「着物には厳格なルールがある」と感じて敬遠していた方も多かったのではないでしょうか。

しかし、元号が令和に変わった現在、気軽に行ける着付け教室やレンタル着物店も豊富にあり、ルールにとらわれない着物ライフを楽しみやすくなっています。
また、体型などに合わせて補正しやすいアイテムや、着苦しくならない便利アイテムもたくさん開発されてきました。
「しばらく着物を着ていない」という方は、この機会にぜひ再び着物にチャレンジしてほしいです。

【大正時代の理解】自由で多様な文化!当時の出来事・娯楽を紹介

大正ロマンの着物の着こなしをイメージするには、あらゆる視点から大正時代を分析していくことが大切です。
大正時代は、1912年から1926年のたった15年間でしたが、大衆文化がぐんと発展した華やかな時代でもありました。

サラリーマンの増加、西洋風商品やサービスの広がり

大正時代は、日清・日露戦争における2度の戦勝によって、日本人が自国に自信を抱いていた時期でもあります。
明治時代に西欧先進国の影響を受けて工業化も大幅に進み、経済的な発展も遂げました。
そのなかで、サラリーマンの増加、百貨店の新館開店など、消費社会が促進されていきます。

大正デモクラシーに代表される自由主義・民主主義的考え方

「大正デモクラシー」と呼ばれる自由や平等を求める運動も代表的です。
それまでの封建的な社会から自由主義・民主主義にもとづいた新しい考え方が台頭し、女性の地位向上や、あらゆる差別撤廃を求めるさまざまな運動が起こり、時代の大きな転換点となりました。

芝居や寄席などの大衆娯楽の発展

大衆の楽しみとして、「活動写真(映画)」や「歌舞音曲」などが人気を集めました。
また、三越百貨店の少年音楽隊や、宝塚唱歌隊(のちの宝塚少女歌劇団)が誕生したのも大正時代だといわれています。

「アールヌーヴォー」「アールデコ」の芸術様式が日本に伝来

フランス・パリを原点とする装飾スタイル「アールヌーヴォー」や「アールデコ」が、パリ万博をきっかけに日本に伝えられました。
これらの芸術様式は、大正ロマンの着物の柄や色合いにも顕著に反映されています。

大正の自由な時代に、着物の楽しみ方も変化していった

大正時代は15年という短い期間にもかかわらず、経済や娯楽の発展だけでなく、関東大震災などの悲しい出来事も起こった激動の時代でした。
一方で、自由主義にもとづく新しい時代でもあり、人々には活気があり、西洋文化をぐんと吸収して、着物の楽しみ方が大きく広がっていきました。
情感あふれるロマン主義的な時代として、「大正ロマン」は現代でも魅力を持ち、多くの人々を惹きつけています。

「これぞ大正ロマン!」と思うイメージとは?

大正ロマンの着物
大正ロマンから連想されるファッションや配色をまとめました。着物スタイルの参考にしてみてください!

大正ロマンのファッションイメージ

大正ロマン風の着物といえば、薔薇・チューリップなど西洋の花柄、アールデコ風の模様、大胆な色合わせが代表的です。

先述した「アールヌーヴォー」と「アールデコ」の特徴をまとめると、以下のようになります。

  • アールヌーヴォー:1900年頃にヨーロッパで誕生。女性・昆虫・花などの自然のモチーフや、繊細で自由な曲線描写が特徴。画家のアルフォンス・ミュシャの「サラ・ベルナールを讃えるポスター」など。
  • アールデコ:1910年頃にヨーロッパで誕生。直線と曲線を用いた幾何学的でモダンな描写が特徴。工芸家のルネ・ラリックの「勝利の女神」など。

これらの芸術様式は、着物や帯のデザインにも反映されています。

大正ロマンの配色イメージ

大正ロマンらしい配色といえば、レンガ風の赤やオレンジ、深い緑や青、紫などが挙げられます。
くすみがかかった明度の低い色を選ぶと、大正時代らしさを演出できます。
Adbe Colorで「大正ロマン」と検索すると、カラーイメージが湧きやすいかもしれません。

大正ロマンを楽しむための着物アイデア

大正ロマンらしさを着物でめいっぱい表現するには、たくさんの大正時代らしいイメージの中からチャレンジしたいアイデアを見つけるのがおすすめです。
好みに合わせてピックアップしやすいように、装飾品やヘアスタイルなどを箇条書きでまとめました。
既存のルールにとらわれずに、大正時代らしい自由な発想で新しいコーディネートを楽しんでみてください!

大正ロマン風着物の生地柄・素材のアイデア

  • レトロなトーンの草花柄
  • 幾何学模様
  • 格子模様
  • 市松模様
  • リボン柄
  • 牡丹、薔薇、スイートピー、チューリップの大柄
  • 裏地が赤いアンティーク着物

大正ロマン風の小物(装飾品)のアイデア

  • レース手袋
  • レース足袋
  • レース帯揚げ
  • レース襟
  • 赤や黒の色襟
  • 革バッグ
  • 革ひも
  • 革ベルト
  • 革カチューシャ
  • レトロカラーの帯締め
  • 椿の帯留め
  • 赤の大ぶりリボン
  • ネックレス
  • ベレー帽
  • パールカチューシャ
  • パールイヤリング
  • 派手なスカーフ
  • エナメルバッグ
  • 柄つきの半襟

大正ロマン風着物にあう髪型のアイデア

  • 耳隠しスタイル
  • フィンガーウェーブ風
  • ハーフアップ
  • 編み込み
  • ボブスタイル

大正ロマン風コーディネートは、考える人や着る人によってさまざまな創意工夫ができます。しかし、持ち合わせのファッションアイテムだけだと、おしゃれの幅が狭くなってしまうことも……。
そんなときはレンタル着物店を利用するのがおすすめ!
レンタル着物店を上手に活用すれば、理想の大正ロマン風コーディネートを妥協なく満喫できますよ。

京都レンタル着物「わぷらす京都」の大正ロマン着物ギャラリー!

京都レンタル着物「わぷらす京都」では、豊富な大正ロマン着物を取り揃えております。ここでは、いくつか大正ロマン着物商品のコーディネートをご紹介します。

大正ロマン着物①
ブルーの恰好柄に紺色の袴を合わせレトロだけど、大人っぽいコーディネートです。
帯に色物を合わせアクセントに!
大正ロマン着物②
クリーム系統でまとめ、優しい雰囲気を出したコーディネートです。
大人気総レースのお着物と合わせ、オシャレ袴と仕上げました。
大正ロマン着物③
総絞りでかっこよく、落ち着いた印象のお着物です。
クールでかっこいいものがお好きな方にお勧めです。

京都レンタル着物「わぷらす京都」の大正ロマン着物一覧はこちら
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京都のレンタル着物店で大正ロマンを満喫しよう

着物の歴史背景や、大正時代の出来事、大正ロマンのイメージなどについてご紹介してきました。
大正時代は、儚くもありつつ、華やかで活気に満ちた時代でもあります。
大正ロマン風を着物で体現するには、「自由にファッションを楽しむ心」「新しい色や柄にチャレンジする姿勢」が必要不可欠です!

もし京都にお越しの際は、ぜひレンタル着物店のわぷらす京都へご相談ください。
「大正ロマン風にしたい!」とご相談いただければ、プロのコーディネーターが丁寧にご案内させていただきます。
来店予約・お問い合わせはこちら

この記事の筆者

わぷらす京都

わぷらす八坂神社店スタッフ

小川彩菜

着物レンタルを通して沢山のお客様の笑顔のお手伝いをしたいと考えております。
お客様のご要望を聞き和装コーディネートの提案する時間やヘアセットを決める時間が好きです!
特にヘアセットが得意で、今人気のフェミニンヘアはお任せください。
可愛く仕上げます!
趣味は、音楽・映画・ショッピングです!
是非、わぷらす京都へお越しくださいませ!
かわいいコーディネートをご提案させていただきます!

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